この記事は当HPとは別にブログにて4月5日に書いた内容の転載となります。
2月中旬にかかってきた貸切のキャンセルの電話がJ×Jにとっての非常事態のホイッスルであり、以来、ずっと非常事態であり緊急事態、そしてずっと緊張状態なので、政府が改めて宣言したところで「お隣のお宅の旦那さん、鬱になったらしいわよ」ぐらいのニュースに過ぎず(僕にとってですよ、社会全体で見れば勿論違います)、「へえ、そうですか、大変ですね」と朧げな相槌を打つだけにとどまるだろう。
というわけで、えぐすぎてもはや泰然自若の観音的領域、うっすら感覚麻痺してきたかのような心地におりますが(あ、予防はちゃんと対応しておりますし、味覚も嗅覚もばっちりです)、僕が境地に至ったところで家賃の請求書はしれっと送られてくるので、自店も東京の多くの飲食店がシフトしているように、テイクアウト中心の営業に切り替えていこうと思っております。
今にも封鎖になりそうで、そうなった時に飲食店のテイクアウトの位置づけはどうなるのかと気になるし、これ絶対降るよなーという巨大な雨雲を眼前に洗濯物を干すかのごとくであり、状況に合わせて適宜、対応策を打ち出してきたつもりですが、都度、情勢悪化に飲み込まれ、言うなれば『007(ダブルオーセブン)は二度死ぬ』的であり、山本ジャーニーもこの一ヶ月で二度くらい死んでますが、決定的なタイミングまでは感染予防を前提に、できることを粛々と進めていく次第であります。
で、テイクアウト。自店では平日のお昼にもともとお弁当を販売しているので、これをそのままスライドさせるだけであり、特に難しいことではありません。カオマンガイやガパオだとか定番で構成し、これに加え、有事のスペシャルメニューとして「世界一周カレー」、「世界一周タコライス」をご用意します。お店に僕がいればいつでもサクッとお出しできるので、不在か不在じゃないかだけ事前にご確認いただければ(24時間中大体16時間はいます)、いつでも歓迎です、笑(黒)。
なんだけども、少なくとも自店で言えば、テイクアウトだけでは延命措置にすらなりません。じゃあ今から気合い入れて、とびきり美味しい&バエバエのテイクアウトメニューを開発して、攻勢に転じるかというと、勿論、否。そうした正攻法は正攻法のお店でしか通用しません。邪道を生業としている自店ではインポッシブル系ミッションです(僕の料理におけるモットーは「邪道も極めれば道」であり、その点に関しては僕は誇りをちゃんと持っている)。
だから「テイクアウト」という切り口で、メニューにはこだわらずに、裾野を広げてみようと考えました。そこで生まれたのが作戦コードネーム「エイト・オー・エイト」、いっそ八百屋に転職してみようじゃないか、と。
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【八百屋(やおや)】
1.野菜類の小売商、青物屋
2.なんでも扱うこと、その人
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もともと実家のある千葉から父が作った野菜が大量に送られてくるところから着想を得ましたが(最初はほんとの八百屋さん路線でした。が、現在は畑のメンテナンス中で収穫ゼロとのこと…)、そこから転じて、お店にもともとある在庫を活用できないかと。例えば、フォーの麺とか、タイの調味料だとか。実際、自粛要請でどれだけの人が家で自炊しているのかは測りかねるけれど、フォーが手元にあれば「パスタにも飽きたし、フォーでも作ってみるか」となるのはあり得ることだし、一応のロジックは立つし、色々あればテイクアウト展開も少しは楽しくなるかな、と。お客さんも、お店側も、お互い。
とりあえず一回やってみようかと思い立ったのが、4月1日。2日に大枠を作り、3日にとりあえずの体裁を整え、このJTVを撮影し、今日(4日)にアップロード及びSNSで投稿。で、今、5日0時にこのブログを書いております。八百屋とは名ばかりで、これから少しずつ商品を増やしていき(巨大な雨雲の行方を追いながら)、超こっそりと、超ちょっとした食料雑貨店を目指していきます。
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