2025年10月、京都大特別教授の北川進氏がノーベル化学賞を受賞した。会見で子供たちに向けたメッセージを問われ、「幸運は準備された心に宿る」という細菌学の権威ルイ・パスツールの言葉を引用した。
「私自身のこれまでの歩みを振り返ってみても、いい先生や良い友人、そして学会などで様々な出会いに恵まれてきました。そうしたものこそが‟準備された心″につながっていたのだと思います」。
パスツールを引用するところがクールだなあと感じつつ、同時に、ノーベル賞をとるような化学者もけっこうアナログなこと言うのね、と思いながら記事を読んでいた。
1997年、MOF(金属有機構造体/今回の受賞の大元)の論文を発表したのち、アメリカであった会議で研究成果を全否定された。「集中的に批判され、散々叩かれて、空調のない部屋で涙か汗か分からないものを流した」と北川氏は当時を振り返る。
そこから28年かけてノーベル賞か…、と北川氏のこれまでの途方もない冒険に思いを馳せた。
「でもそれは本当に見つけたものだったから、そこを信じる気持ちは揺るがなかった。自分が本当に面白いと思うことだけに突っ走ってきたんです。だからこそ、まわりに苦労もかけたし、だからこそみんなに感謝している」とも同氏は言う。
そこから28年かけてノーベル賞か…、
そして、ジャーニー×ジャーニーは間もなく11年か…、
と、自分の頭の中はそこで急速にスケールダウンした。話を急に自分の話に擦りかえる人っているけど、自分でもびっくりだ。
自分でも呆れるくらい小さな話で、しょうもないけれど、しょうもないとは言え、間もなく11年というのは事実で、その中で実にいろいろなことがあったのも実際のところだ。そして、今もなお実にいろいろなことが起こるけども、まあとは言え、大抵のネガティブは大抵大したネガティブではない。むしろ、今、このようにしてこんな文章を書いてること自体、恵まれている。まぎれもなく、まぎれもない幸運だ。その恵まれた環境や幸運に感謝しないといけないし、謙虚でならきゃいけない。
「いい先生、友だち、付き合い。幸運というのは、ある日突然、宝くじのように当たるものではありません。皆さんも、自分が育っていく過程でさまざまな経験をすると思いますが、その一つ一つを大切にしてほしい」。
北川氏は子供たちに向けてこのメッセージを贈ったが、44歳のくたびれた中年のことも戒める。
11年間に感謝しながら、12年目もいい準備を進めていきたい。今後ともジャーニージャーニーをよろしくお願い致します。


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